WEBマガジン詳細

Webマガジン Vol.51- Feb., 2022

Column: イメージセンサの感度についての比較実験

Pixelサイズが異なるイメージセンサの感度:比較実験

Topaz(2.5um pixel) vs Sapphire 1.3M(5.3um pixel)

      

[はじめに]

イメージセンサの感度は、pixelの特性と、読み出し回路の性能の双方が相補的に関わるため、その良し悪しの判断は簡単ではありません。
本稿では、その一例として、Teledyne e2v の新製品Topaz(2.5um pixel)について、従来製品Sapphire 1.3M(5.3um pixel)と比較、考察した事例を紹介します。

 

[その1 ゲイン無調整での特性比較]

撮影対象
白黒のチャートを自社作成・印刷したもの。

撮影環境
弊社オフィス内 (オフィス照明下)

機材と主な設定

レンズ
Kowa LM3NCM-WP

1/1.8” 3.5mm/F2.4: aperture full open

Sapphire 1.3M(EV76C560)
BN sensor
1ROI: full pixel area (1280 x 1024 pixels)
Auto Gain = off, Analog gain = 1
Clamp: Auto -> fix
Defect correction: off
wait time: default (5ms)
Global Shutter, serial readout.
tiff 16bit output

Topaz 2M
BN sensor
1ROI: full pixel area (1980 x 1080 pixels)
Analog gain =1, Digital gain = 1
Clamp: Row clamp
Wait: 0ms
Monochrome raw 16bit output

作業手順
・ 露光時間を替えつつ撮影、画像ファイルを保存
・ 画像ソフトで画像を解析、対象エリアを主導で選択し、輝度の平均値を算出
・ 輝度と露光時間をグラフ化、解析し、両センサーの感度を比較


Fig.1 撮影環境の概観


Fig.2 撮影画像例
(図中にマークした2つのエリアを解析しました)

  
Fig.3 輝度の解析例
(解析に選んだエリアを大まかにSelectし、HistogramからMeanを読み取りました)

結果

Fig.4 Sapphire 1.3Mの露光時間~輝度特性


Fig.5 Topaz 2Mの露光時間~輝度特性

・ 輝度は、露光時間に対し線形に増加し、上限値で飽和する一般的な特性となりました。
・ 線形域の近似直線のR2は1に近く、良好に直線に乗っています。
・ 近似式の傾きを比較すると、以下の結果となりました。
   gray1領域:13.904÷38.585=0.360  gray2領域:21.895÷60.484=0.362
・ この状態での「感度」は、TopazはSapphire 1.3Mの0.36倍と見積もられます。
・ Pixel面積比 (2.5^2/5.3^2=0.22)に比べ、感度の変化は小さく抑えられています。
  画素容量や量子化、集光などの、各種の効率の向上が寄与しているものと思われます。

ゲイン無調整では以上のような結果になりましたが、輝度の傾きはゲインの調整で変化します。
そこで、Topazのアナログゲインをx3とすることで、両者の輝度の傾きを同一になるように調整した場合の「感度」について、次に、比較・考察してみます。

 

[その2 ゲイン調整後の特性比較]

撮影対象
上と同じ白黒チャートを使用。
撮影環境起因のノイズ(印刷や照明のムラなど)を避けるため、フォーカスはあえて少し外しています。

撮影環境
LEDリング照明を用いました。外光の影響を減じるため、カメラと撮像物を段ボールで囲んでいます。

機材と主な設定
上と同じ。ただし、TopazのAnalog gainをx3に設定しています。

作業手順
上と同じ。ただし、画像解析の際に、標準偏差のデータも収集しました。


Fig.6 撮影環境の概観

結果

Fig.7 Sapphire 1.3Mの露光時間~輝度特性


Fig.8 Topaz 2Mの露光時間~輝度特性

・ TopazのAnalog gainをx3としたことで、輝度は両者でほぼ同一になりました。
・ 輝度バラツキはTopazの方が大きく、両者のバラツキ値の比を取ると、露光時間に関わらず1.6倍程度の値となりました。
・ 輝度バラツキを感度の目安として考えると、単純比較ではTopazの感度は1.3Mには及びません。
  しかし、Pixel面積比が2.5^2/5.3^2=1/4.5に比べて、感度の比は1/1.6に抑えられていました。
  このことから、性能向上を果たしていると評価できます。

感度評価の要因は、ゲイン以外にも影響因子がありますし、撮影対象や、撮影環境にも左右されます。
より詳細には、目的に応じた評価を行う必要がありますが、概ね、Topazの性能を確認できる結果となりました。

 

【関連製品】

・TELEDYNE e2v社CMOSイメージセンサ Sapphireシリーズ
https://www.cornestech.co.jp/tech/products/products-9713/
・TELEDYNE e2v社小型産業用CMOSイメージセンサ Topaz
https://www.cornestech.co.jp/tech/products/products_cmos_topaz/
 
ページトップへ戻る