FAQ |広帯域電流・電圧変換 カレントモニター カレントトランスフォーマー

広帯域電流・電圧変換 「カレントモニター(カレントトランスフォーマー)」製品説明は こちら

01 パラメータの説明

1. 最大ピーク電流の定義を教えてください。
A

カレントモニターに使用しているコネクタの電圧ブレークダウン定格により規定されています。すなわち、500V定格のコネクタを使用した0.1V/Aのカレントモニターの場合には5000Aと定義しています。

2. 最大RMS電流の定義を教えてください。
A

カレントモニター内部に使用している抵抗素子の長期安定度に影響を与える発熱を引き起こす最大電流値です。

3. 最大IT値(Current Time Product)について教えてください。
A

片方向のパルス電流の場合、その電流値×時間の積はこの値を超えない様に注意してください。コアがサチュレーションを起こし出力波形は歪みます。感度を2倍にあげるためカレントモニターに導体を二重巻にすることがありますが、この場合IT値を定格値の1/2に押さえるようご注意ください。バイアス電流の有無で値が異なります。

4. 最大I/f値について教えてください。
A

この値はIT積がパスル電流に適用されるものに対して正弦波電流に適用される値です。正弦波電流のピーク電流値÷周波数の商はこの値を超えないよう注意してください。IT値の場合と同様にコアがサチュレーションを起こし出力波形は歪みます。感度をあげるために非測定導体をカレントモニターに二重巻にする場合はI/f値は1/2におさえてください。

5. ドループとは何ですか?
A

パルス電流の場合の時間経過に伴う出力電圧の低下度合いで、数A以上の電流レベルに適用される最大値です。より小さい電流レベルで使用する場合、コアの透磁性の初期値が小さいためにドループが大きくなります。正弦波電流の場合は3dBポイント低域周波数が高くなる結果になります。また、一般に感度を低くすればピーク電流、RMS電流、IT値を増加することができます。高感度においてドループを小さくすることは困難です。

02 使用上の注意

1. どのようにシールドされていますか?
A

3.5インチおよび10.75インチ直径の中心穴のカレントモニターはすべて二重シールドになっています。二重シールド型のカレントモニターの場合は、取付穴を金属ネジを使用して接地されたシャシに取り付ければ外部シールド(本体外側ケース)は自動的に接地されます。その他のカレントモニターはシングル・シールドです。本体シールド(および同軸ケーブルのブレード)は取り付けネジで接地されます。なお、2インチ直径の中心穴のカレントモニターは取付穴部分が絶縁されていませんので同軸ケーブルのブレードを通じてオシロスコープだけに接地されます。

2. バイアスは必要でしょうか?
A

ピアソン社のカレントモニターはすべてのモデルにマグネット・コアを使用しています。従って透磁性があり、非測定電流のDC成分(Idc)またはパルス電流の「IT積(Current Time Product)」によりサチュレーションを起こします。一方向パルス電流測定時にそのIT積によりコアがサチュレーションを起こした場合はカレントモニターの出力はゼロになります。この場合、カレントモニターは被測定電流がゼロになった一定時間経過後に正常状態に自動復帰します。適切なバイアスはIT値とドループ性能を改善でき、また、DC成分を多く持つ非測定電流の測定を可能にします。なお、カタログIT値欄に”2次バイアスを印加した場合の値”と脚注のあるモデル(例: 2877、4100、2100、150、2878、411、110、110A、2879、101など)では特に透磁性の高いコアを使用していますので仕様に示すIT値を得るためにはバイアスをかける必要があります。バイアスの目的は1次回路のDCアンペア・ターンをキャンセルし、コアのヒステリシス曲線の最大部位を利用することです。この様にして最大IT値と最小ドループ特性を得ることができます。 DCアンペア・ターンをキャンセルするには1次側に別のバイアス線を使って実現することもできますが、2次側バイアスをかける方が所要電流が少なくて済みます。2次側にバイアスをかけるには抵抗と直列のDC電圧を持つ電流源をT分岐コネクタを使用してカレントモニターの出力に接続します。5kΩ抵抗を使用すると出力は-1%変化し、他の抵抗値を使えば変化分は異なります。印加する電流は逆極性で、アンペア・ターン値は1次側電流中のDC成分と同一にする必要があります。2次側巻数とコアがサチュレーションを起こすDC電流の概略値を以下に示します。
詳しくは、 BIAS NOTE を参照ください。

Model
IDC MAX(A)
IBIAS(A-turn)
Ratio
2877
0.17
0.13
50
4100
0.32
0.25
50
2100
0.78
0.59
50
3100
1.9
1.4
50
150
0.78
0.59
99
325
25
 
142
2878
0.17
0.13
45
410
10
 
424
411
0.32
0.25
424
110
0.78
0.59
414
110A
0.78
0.59
414
310
25
 
352
1010
160
120
490
1025
8
 
361
3025
25
 
513
2879
0.17
0.13
46
101
0.78
0.59
325
301X
60
 
312
1080
60
 
173
1330
60
 
345
1423
60
 
80
2093
150
 
473
3. トランジェントに対する限界はありますか?
A

最大RMS電流を超える大電流トランジェントを測定する場合はカレント・モニタの内部放熱の限界を超えることがあるので注意が必要です。一方向の電流に対してはコアのサチュレーションにより2次回路が保護されますが、双方向トランジェント電流のエネルギーは一方向の電流の様には制限されません。双方向トランジェント電流による発熱は電流の2乗値の時間積分値に比例します。個々のモデルについての限界はピーク電流値とIT値の積で求められます。この値I2・T値を超えるとカレント・モニタが破損することがあります。例えば、モデル301XのI2・Tの限界値は50kA×22A・秒または1.1×106 A2・秒です。従って5kARMSのAC電源では最大継続時間は1.1×106/(5×103)2=4.4×10-2秒以内でなければなりません。

4. 高電圧下での測定で注意すべき点はありますか?
A

高電圧下で使用するカレントモニターは中心穴の直径が大きく、内側のRに注意を払い電圧傾斜が小さくなるように設計されています。3.5インチおよび10.75インチの中心径のものがそれに当たります。このサイズのカレントモニターは二重シールドになっていて電界浸透に対する保護が特に強くなっています。外部シールドが接地されるため高圧導体からケースへのアークの接地へ直路が形成されます。この直路が高電圧の測定経路へ入り込む危険を減らします。内部シールドと同軸ケーブル導体はフロートされていますのでオシロスコープ側、オイルタンクの壁その他で接地してグランドループを最小にし、安全性を増すことができます。カレントモニターの中心穴に高圧の丸型導体を通した時には幾何学的には同軸が形成されます。従って、 導体の表面における電圧傾斜は導体の半径と中心穴の半径の比が1/eの時に最小となります。最適の導体の半径より太くなっても細くなっても電圧傾斜は増大し許容される動作電圧は低くなります。以下の表はカレントモニターの中心穴、電圧および最適の導体のサイズを示します。高電圧で使用する場合には周囲を清掃することも重要になります。

中心穴 直径 (インチ)
導体 直径 (インチ)
パルス電圧 (繰り返し5マイクロ秒)
(油中)kV
放電電圧
(気中)kV
2
0.75
150
30
3.5
1.25
300
50
10.75
4.0
900
150
5. 絶縁油内で使えますか?
A

ピアソン社のカレントモニターは全て絶縁油中で使用することができます。絶縁油中で使用する場合で直流高圧成分が大きい時にはカレントモニターと導体との間に絶縁物を置いて直流電界における不純分子による放電を避ける必要があります。テフロン管、フェノール樹脂管、油浸クラフト紙などが絶縁物として最適です。絶縁物で導体を支持してカレントモニターの中心穴の中心に導体を保持しようとする場合にはブレークダウンを防ぐため、十分な寸法をもたせる必要があります。大気中において数kVで使用する場合は通常の高圧絶縁線を導体として使用することができます。気中において10kV以上で動作する場合にはカレントモニターの中心穴サイズと定格電圧に応じて最適な直径を持つ導体を使用する必要があります。

6. 挿入抵抗はどのくらいですか?
A

ピアソン社のカレントモニターは分布負荷抵抗を持っていますが、抵抗値は非常に小さく測定回路に影響を与えることはなく無視できます。
各モデルの挿入抵抗は以下の表の通りです。

Model
挿入抵抗
4100
2100
2877
0.02
150
0.005
325
<0.002
2878
0.001
410
411
110
110A
1010
0.0002
310
<0.0003
2879
0.00001
1025
<0.00004
3025
<0.00003
301X
101
<0.00002
7. 挿入インダクタンスを考慮すべきでしょうか?
A

カレントモニターの挿入インダクタンスは非常に小さく、測定することが非常に難しい範囲です。通常、この値は無視できます。

8. 位相シフトはどのくらいでしょうか?
A

仕様内の周波数レンジでは、ピアソン社のカレントモニターの出力電圧と被測定電流の間の位相シフトは極めて小さく、低周波・高周波カットオフ周波数から1ディケード離れた周波数での位相シフトは6°以下で、振幅誤差は1%以下です。

9. 測定ケーブルが長い場合はどのような注意が必要ですか?
A

100ナノ秒以下のパルスの立上り時間の測定、数MHzを超える高周波電流の測定や、非常に長いケーブルを使用する場合などでは、オシロスコープ側で50Ω終端をして定在波やケーブルの遅延を避けなければなりません。50Ωで終端した場合、出力電圧は通常の終端をしない場合の1/2の出力となりますのでご注意が必要です。また、このような場合-0、+1%の精度は保証されません。尚、2877、4100、2100、150、410、411、110、110Aおよび1010の各モデルでは終端した時にドループが通常値より減少し、IT値が増大します。

03 その他の質問

1. 出力誤差はどのくらいでしょうか?
A

標準モデルでは、出力誤差が±1%または−0、+1%の範囲内に調整されています。

2. 校正はできますか?
A

米国のメーカーへ輸出して対応します。
標準モデルでは、オシロスコープを負荷にして校正します。
高周波モデルでは、50Ω終端器を外部負荷として校正します。

1.オンライン受付

以下の依頼フォームから製品情報・お客様情報をご登録ください。
ご登録後、受付完了メールをお届けします。

校正依頼フォーム

2.見積連絡

納期および校正料金、ご依頼品の送付先情報をお知らせします。

3.ご依頼品の送付

ご依頼品を指定の宛先にお送りください。

4.校正作業

海外メーカー(ピアソン社)にて校正作業をおこないます。

5.納品

校正作業完了次第、出荷日をお知らせします。その後、ご依頼品と請求書をお送りします。

3. 等価回路を教えてください。
A

50Ωの抵抗器を直列に結線した発生器とみなすことができます。
75Ω、93Ωなど、特殊なソース抵抗を持つカレントモニターの作成に応じることもできます。

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